ラジオシティタグ

ラジオシティタグは、間接光(ラジオシティー)付きでシーンをレンダリングする機能でカメラオブジェクトを拡張します。Cheetah3D は、HDRI 環境マップタグを共に使用して、高速な IBL (Image Based Lighting - イメージ・ベースド・ライティング ) を実現する、より速いアンビエントオクルージョンアルゴリズムも提供しています。

1世代前のレイトレース・アルゴリズムは、ただ光源からくる直接光のみを計算していました。しかし、現実には環境の光の大きな部分は、他のオブジェクトで拡散された光からくるものです。例えば、窓越しの太陽の光は、ちょうど床や壁の小さな部分も照らしています。部屋の残りの部分や天井は、間接光で照らされています。

カメラオブジェクトにラジオシティタグを追加するだけで、間接光照明でシーンをレンダリングする事が可能です。他には何も変更する必要はありません。これらのプロパティがシーンのジオメトリーやライトの設定に大きく依存しているので、ラジオシティタグのプロパティを調整したくなるでしょう。

注意: ラジオシティタグは、カメラオブジェクトにのみ適用する事ができます。

プロパティ

  • タイプ: 拡散した間接光を計算する2つの異なるタイプがあります。
    • アンビエントオクルージョン: これは実際に間接的な拡散光を計算する方法ではなく、そうした振る舞いであるように見せかけるものです。どのくらい光が他のオブジェクトから対象のピクセルに拡散するのかを計算しません、それはピクセルのどのくらいの割合がシーンによってふさがれるかを計算します。AO(アンビエントオクルージョン)の主な長所は、正確な計算よりかなり速いという事です。これは、また速くてきれいに見える屋外のHDRIレンダリングに大変適しています。"サンプル数" プロパティの項のイメージを見てください。
    • ラジオシティー: ラジオシティーを選んだ場合、 Cheetah3D は QMC ( Quasi Monte Carlo ) パストレーシングアルゴリズムで間接的な拡散光を計算します。このアルゴリズムは、また色が滲み出すような現実世界でみられる効果を提供します。(下のボックスシーンの天井を見てください。)
  • 強さ: 間接光の強さを設定します。実際の間接光はこの数値で乗算されるので、間接光の強さを調節するために使われます。
  • サンプル数: 間接光を評価するために使われるサンプルの数。低いサンプル数を使うと、イメージは曇ったまだらな物になります。デモンストレーションのために左下のイメージを見てください。実際どれくらいのサンプル数が必要かは、シーンと照明の複雑さに強く依存しています。シンプルなシーンの場合は、サンプル数 200 で充分ですが、複雑なシーンの場合には、 10000 までのサンプル数が必要かもしれません。
サンプル数=25
サンプル数=400
  • 拡散反射: 何回間接的な拡散(ディフューズ)面の散乱( scatterings )が考慮されるかを設定します。散乱( scatterings )のより多い次数は、物理的に正確なイメージを作成しますが、レンダリング時間は劇的に増加します。また、より高い散乱次数( scattering orders )を使用した場合、ノイズが増えるので、より多いサンプル数が必要になります。
    アンビエントオクルージョンを使用している場合、このパラメータは効果がありません。
ラジオシティーなし
拡散反射=1
拡散反射=2
拡散反射=3
  • 鏡面反射: もし鏡面反射が 0 に設定されている場合、周囲の環境の拡散(ディフューズ)面への照明要素のみが収集されます。シーンに、反射や透過オブジェクトがない場合はこれで OK でしょう。しかし、もし下の金属のリングような反射や透過のオブジェクトのあるシーンをレンダリングする場合、若干深刻な量の光を失います。この光も収集するためには、"鏡面反射" の数値を上げます。反射オブジェクトの場合、 1 で充分でしょう。透過オブジェクトの場合、 1 より大きい数値が必要かもしれません。しかし、注意してください。鏡面反射はレンダリング時間に重大な影響を及ぼします。(訳注:右下のようなコースティクス効果を出したい場合には、後に追加されたコースティクスタグを使用します。速くより奇麗なイメージを作成する事が可能です。)
    アンビエントオクルージョンを使用している場合、このパラメータは効果がありません。
    鏡面反射=0
    鏡面反射=1
  • エラー: どのくらい正確に間接光が補完されるかを定義します。より低い数値であるほど、より正確な最終イメージになります。0.05 より低い数値を設定すると、キャッシングアルゴリズムは無効になり、これは劇的にレンダリング時間を増加させます。したがって、キャッシュの無効化が本当に望まれる場合以外で、この値を 0.05 以下に設定することは勧められません。
  • 最小値: サンプルキャッシングの間隔の最小距離
  • 最大値: サンプルキャッシングの間隔の最大距離

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